『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』(感想)ジョニーとボフの再演

 

「ジョニー・イングリッシュ」3作目です。

ボフ役のベン・ミラーが帰ってきたのは嬉しく、やはりジョニーとボフのコンビが光る作品ですね。

以下ネタバレありの感想です。

 

 

 

<作品紹介>

公開年  2018年

監督   デヴィッド・カー

ジャンル スパイ・アクション・コメディ映画

 

 

キャスト

ジョニー・イングリッシュ役/ローワン・アトキンソン・・・主人公

ボフ役/ベン・ミラー・・・ジョニーの相棒

オフィーリア・ブリトーヴァ役/オルガ・キュリレンコ・・・ヒロイン

ジェイソン・ヴォルタ役/ジェイク・レイシー・・・悪役のボス

 

 

あらすじ

G12直前にイギリスのシステムにサイバー攻撃を受け情報漏洩してしまいます。そこで首相が引退したエージェントを呼び事態の解決を図ります。エージェントの1人ジョニー・イングリッシュとボフは犯人を捜すため南フランスに向かいます。

 

 

 

<感想>

 

前2作と比べた面白さ

前2作「ジョニー・イングリッシュ」「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」と比べると、全体的なまとまり感やコメディ映画の面白さが今作の方が良いと感じました。

 

ひとつ目に挙げるなら以前の退屈さを回避した出来だと思います。例えば、ダンスシーンは少し映画の観る側が引いてしまう感じがありましたが、今回はシーンを前半の方へ持ってくることでダンス後の余韻の面白さを活かしたことです。ジョニーの奇妙な踊りだけでなくブリトーヴァに命を狙われるのを面白おかしく避けたり、一晩中踊り明けてた後のペガサスへの報告に居眠りするところは良かったです。

 

ふたつ目はテーマとして、アナログVSデジタルという現代に照らした要素を用いたのも良かったです。ジョニーがVRを使った訓練の様子では、現実と混同しないよう注意を促されていたにも関わらず、街中に飛び出し破天荒な姿は滑稽であり愉快さもあります。あそこまでVRを使って人様に迷惑をかける姿を描写されると、実際の生活で気を付けつける注意や現実の欠点を批判することを超えた、コメディを痛快に見せられるのは素晴らしいです。

 

 

毎度ある上司に怒られるシーン

いつものようにジョニーは普通にやっているつもりなのに任務が失敗し首相やMI7の上司ペガサスに叱られる様は、もはや映画を観ている画面の向こうの人にジョニーの失敗を同じ二の舞を踏まないでねと言われている風に錯覚してしまいそうです。

 

正直このシーンはなくてもジョニーの落ち込み具合は表せるのではないかと思いたくなりますが、復活劇を描くには必要な要素と捉えることも出来ます。もしくは映画の緩急をつけるのが目的とも言えます。気持ちの部分では見にくいですが(そもそも見えない)カーアクションでは意気揚々と活躍の後、ガス欠で恥ずかしく止まってしまうのは物語のアップダウンが映画を楽しめる要素ですね。

 

 

ジョニーの失敗が面白さに繋がる

これは全体に定番の面白可笑しさがあります。サイバー攻撃の発信源である船に乗り込む際に車の中でゴムボートを広げてしまったり、G12の会場での出来事では、潜水艦のシステムエラーをジョニーが起こしてしまい意図せず上記の船をミサイルが命中し敵の企みを阻止します。なんでそうなるのだよってところが毎度の良いツボですね。

 

以前の記事「ジョニー・イングリッシュ」でも取り上げましたが、笑いの”ズレ”が良いところに入ってくるのが、この映画の面白いわけだと思います。繰り返しになりますが上記の車の中でゴムボートを広げたら室内がギュウギュウになって大変なことになるだろうと、予想できてもそれをやってしまうのは観ていて面白いです。

 

笑いに関して、日常ではありえないだろうの"ズレ"ともうひとつ気になるのが、滑稽な姿を見て笑うある種の優越感が心にある話です。

 

ただ筆者が思うに、実際に笑う時その対象(ここではジョニー)は不格好ですが、ジョニーと観客、他人と自分ように対象がいてはじめて笑うので、二者のズレが発生しその差によって笑ったりしているのではないかと笑いの素人ながら感じました。”ズレ”と”優越感”は同時に起こっており、バカにした笑いよりは可笑しいよりがあり、またストレス発散のスッキリする気持ちなど色んな感情が心の中で思っている気がします。

 

 

ベン・ミラーやオルガ・キュリレンコの演技

ジョニーだけの演技がこの映画の魅力だけではないのは、周知の通りかと勝手に思っております。ジョニーの破天荒な行動に振り回されるベン・ミラーやオルガ・キュリレンコの困惑や驚きの表情や姿が良かったりします。

 

ジョニーの行動を受けて、表情などを表せるのは演技力があるのかと。その時の状況が
把握できる要素が増すと描写が豊かになりますね。特にホテルのバーでお酒を嗜むシ
ーンはダンスやアクションのように動きがないので表情に目が行きやすいです。違和感なく見れたのは個人的には満足です。

 

 

さいごに

3部作ある中で段々と映画の質が良くなってきている感じがありました。また、どのコメディ映画が良いかと聞かれると「ジョニー・イングリッシュ」を挙げても良さそうです。結構万人受け、子供から大人まで受ける笑いと思っているのでオススメですね。

 

「ジョニー・イングリッシュ」シリーズの感想は一応終わってしまったので、他のコメディ映画だったりをやっていけたらと思っております。

 

 

以上

 

 

<参考>

笑い - Wikipedia

 

 

<過去記事>

 

kinomarubog.hatenablog.com

kinomarubog.hatenablog.com