『最強のふたり』【感想】笑いと友情が交じり合う。その魅力について。

 

ポジティブになれる映画と言えば、本作「最強のふたり」がネットで列挙されているのではないでしょうか。

たしかにコメディ要素もあって面白く楽しめました。

フランス映画は笑いのセンスが光っていますね。

以下ネタバレありの感想です。

 

 

 

<作品紹介>

公開年  2011年

監督   エリック・トレダノ

     オリヴィエ・ナカシュ

ジャンル コメディ・ドラマ・フランス映画

 

 

キャスト

フィリップ(フランソワ・クリュゼ)・・・富豪、首から下の体が不自由

ドリス(オマール・シー)スラム街出身の青年

 

 

あらすじ

事故により体が不自由になった富豪フィリップは、失業保険を受けるために、介護職の面接に来た青年ドリスを雇う。住む世界も年齢も違う二人が、いつしか”最強のふたり”となる物語。

 

 

 

<感想>

 

何をもって”最強のふたり”か

映画「最強のふたり」は、パリに住む富豪フィリップと介護人として働くことになったドリスたちが、雇う側と雇われる側あるいは要介護者と介護者を越えた二人の友情を育む話です。

 

人種や年齢など共通するところがない二人が織りなす物語は、何をもって”最強のふたり”と呼ばれるか、疑問になったので理由を考えてみたいと思います。

 

映画を通して、最強のふたり=友情も思い浮かびますが、ユーモアを持つが含まれそうです。言い換えるなら冗談を言い合える仲かと。どうでもよさそうな話題を言ったり、それでいて笑い合える仲がありますね。

 

 

以前にネットで対話について調べた時、人には対話の形が二種類あり、共感型と問題解決型です。

 

共感型は話を聞いて、相槌を打ったり理解を示したりする対話。問題解決型は話の答えを探す対話。

 

家族との対話には、共感型が向いているという内容でした。(仲を深める意味で)

 

今回の冗談を言い合える仲は、共感ではないですが、感性で物を捉えて話す観点からリラックスした対話に思えます。

 

 

それから人との相性についてもです。相性は価値観や共通点を取り上げると、フィリップとドリスは価値観の部分に重きがあると思います。

 

価値観は笑いのツボとして見ると、笑いのツボが相性の良さと繋げれるかと。

 

 

以上から対話と相性の良さから、関係性が重要視されます。

 

フィリップとドリスの関係には、支配や依存といった不安定な要素を併せ持つことなく、ある意味、主体的な繋がりで成り立っている状態ですね。

 

また、世の中にはどうしても相容れない人がいれば、始めは仲良くなると思っていなかったが、後になって”こんなにも仲良くなるなんて”と偶然の出来事があるかもしれません。

理想のような関係性を、映画を観て体験出来ました。

 

 

 

人が楽しむ要素とは

映画を観て、フィリップとドリスが楽しそうにする様子が印象的でした。

 

人との関わりや行動の点において、楽しむ要素がありますね。楽しむとは周りの目を気にせず、自分のやりたいことをする。

 

そこに義務感は発生せず、自然と心の動くまま行動出来ることが最良ですね。

 

人のアクションの部分で、心の形が変わっていくのがポイントかなと思います。美味しい物を食べたり楽しいと思う遊びをしたりと、特別なことをするわけではなく、日常にある”楽しい”と感じる要素が心を豊かにしてくれそうです。

 

例えば筆者の例を挙げると、麻雀を始めたことです。今までやりたいなと思っていましたが、行動まで移せていませんでした。ある時、麻雀をする機会があり、いざやってみて徐々に楽しくなりました。

 

触れる環境も要因ですが、楽しいと感じる心と行動により楽しむ要素になると今では思います。

 

また、色々と体験をしてみるところから始まりがありますね。

 

時には悩んだり思いつめた時ほど、何かをしてみる価値はありますし、その時に楽しいと思える出会いがあれば、なお良しですね。

 

 

 

映画「最強のふたり」不安を越えた先にあるもの

本作はユーモアな二人が織り成すコメディのジャンルではあるものの、少し不安を持つ内容でした。

 

劇中でドリスと母親において、家族の話などがどこか壁となって向き合いにくさを感じたのかもしれません。

 

しかし不安を覚えつつも、物語に良さを感じたのは本作の魅力ですね。

 

前述の”最強のふたり”についてや楽しむについて。それから家族の話は歩み寄る、気づかうといった助け合う姿勢が明るさを持つ方向にあります。明るさはポジティブの要素ですね。

 

 

それから「最強のふたり」を観て、「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」を思い出しました。

 

前者はドリスとフィリップ、後者はウィルとショーンの登場人物たちの関係性が印象的です。結果としてですが、距離感に隔たりがなく友情の言葉がよく当てはまります。

 

勉強、仕事、恋愛と生き方が人の数だけ枝分かれした先々で、選択する自由があります。例えば、勉強とスポーツと芸術の分野があった時、得意不得意は誰しも持ってると。

 

自分が得意だなと思う分野を選べるし、不得意に挑戦も出来る。もちろん興味のある分野も。

 

より良い選択は成功の有無よりも、何が合っているかが大切になると自然な良い結果をもたらしてほしいと願う

 

それが「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」と「最強のふたり」の共通するところではないかと思います。

 

 

不安を抱えるような人たちに明るさと広い視点を与え、それでいてコメディの笑いが印象的な映画でした。

 

 

 

さいごに

思い返してみると、コメディの特徴を楽しめたのが良かったです。

 

親友とか少し羨ましいなと思いつつも、社会学者ポール・アダムスによる人間関係の強い絆で結びついているのは十五人程度らしいのですが、まぁ四~五人いたら良いなと思います。

 

今更ながら友達百人は無理がありますね、、、

 

 

以上

 

 

 

<参考>

10mtv.jp

 

精神科医が教える ストレスフリー超大全ー人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト』樺沢紫苑/2020年/ダイヤモンド社