『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』【感想】B級映画と思いきや面白可笑しく楽しめるパロディ映画

 

フランスの映画です。

最近バットマンを見たせいなのか、関連で出てきたのかと。

それでいつものパロディの映画か、、、と思ったら主演がシティーハンターの実写映画に出ていた人で、これはちょっと期待して観てみました。

 

今回は少しネタバレありかなの感想です。

 

 

 

<作品紹介>

公開年  2022年

監督   フィリップ・ラショー

脚本   フィリップ・ラショー

     ピエール・ラショー

     ジュリアン・アルッティ

     ピエール・ドゥダン

ジャンル コメディ・フランス映画

 

 

キャスト

セドリック・ドゥジモン/バッドマン 役(フィリップ・ラショー)・・・主人公、売れない俳優

セブ 役(ジュリアン・アルッティ)・・・主人公の友達

アダム 役(タレク・ブダリ)・・・同上

エレオノール 役(エロディ・フォンタン)・・・主人公の妹

ロール 役(アリス・デュフール)・・・記者

 

 

あらすじ

しがない俳優セドリックは映画のオーディションを受けて、役を掴む。撮影が始まる中、父親が負傷した知らせが届く。急いで病院に向かうセドリックは道中で事故に遭い記憶をなくしてしまう。自分の名前さえも忘れ、しかも役が自分自身のことだと思い込む。

 

 

 

<感想>

 

諦めないフィリップ・ラショー

映画の大きな話の流れとして、売れない俳優(変わったCMに出ているが)の主人公セドリックが映画の役を掴むところから始まります。

 

人生が上手くいかないことを体現しているのか、友達や親にもっとちゃんとした仕事を就けよと言われます。本人としては分かっているけど、諦めきれない精神がモンモンとあり続けると。やりたいことをやっている時が楽しいというか、キラキラしたものを追いかけるのが楽しいのかも。

 

それから、セドリックは事故で記憶をなくし映画の役が自分自身だと思い込むが、その役が敵に家族が囚われ助けることが目的となっています。ここから勘違いコメディがスタートで、悲劇にあっても(セドリックでもあるし映画の役でも)目的を持って諦めず突き進んだのはたしかです。

 

主演・監督と演じるも作るもこなすフィリップ・ラショー。彼は「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」のフランス映画版で大ヒットしました。脚本を書くのに相当な時間をかけたようで、実写化にも簡単な道のりではなかったかもしれません。

 

また脚本を原作者の北条司 氏に確認してもらう作品づくり姿勢、良い作品良い映画を作るフィリップ・ラショーの諦めない精神が、どこか自伝的要素を含んでいると思うと作品愛みたいなのがあって、味わい深いコメディ映画として捉えられそうです。

 

 

 

パロディましましとコメディさを存分に発揮

味わい深いとか拡大解釈?をしつつも、さすがにと言うべきか今作以前の制作陣などを引き継いでおり、コメディの部分の評価が高くなっていると予想できそうです。

 

主人公セドリックは、映画の仕事で「バッドマン」の主役を受けます。そう”バッドマン”です。”バットマン”ではないのです。まぁパロディ映画でありますし、DCとMCUの映画を観たことがある人はすぐに分かると思います。

 

名シーンはモロに使っているし、後半にかけて怒涛の笑いを持ってくるわけですが、できれば詳細は伏せて置きたい。なぜなら観たら”あぁ、あれか!”となってほしいからです。ネタバレせずに観た方が面白いはずです。

 

そしてフィリップ・ラショーはコメディアンの面を持ち、映画のコメディも大きな特徴を持ちます。いわゆる笑いを取るために身体を使った表現方法、スラップスティック・コメディであります。分かりやすい例がイギリス俳優ローワン・アトキンソンの「Mr.ビーン」でしょうか。もっと時代をさかのぼれば、チャップリンサイレント映画だとか。

 

古典的でも目で見て分かりやすいです。また長年見続けられている笑いは人に共通する心理、楽しく笑えるものがありそうです。

ちなみにパロディ要素は思った以上でした。何かはぜひご覧になってほしいです。

 

 

 

さいごに

映画のタイトルでB級映画なんて思ってしまいそうですが、いざ観てみるとそんなことはなくて笑いあり、少し感動ありの作品になっています。

難しい映画や内容が暗い映画ばかり観ていると、雰囲気に精神が引っ張られて気分が沈みがちになるのですが、そんなときは今作のようなコメディがおすすめですね。

 

 

以上