『アイランド』【感想】意思ある者は、自由を求めて走り出す/出演ユアン・マクレガー、スカーレット・ヨハンソン

 

マイケル・ベイが監督の作品です。

演出や映像美が良くて、中でも音楽がお気に入りです。

BGMの"My Name Is Lincoln"でラストシーンの部分とか。

音楽を担当したのがスティーブ・ジャブロンスキーで、「ダークナイト」や「グラディエーター」の音楽を手掛けたハンス・ジマーとお仕事をしてるとか。

それゆえにか音楽の雰囲気が似ている気がしつつも、豊かな音楽を楽しめます。

 

以下ネタバレありの感想です。

 

 

 

 

<作品紹介>

公開年  2005年

監督   マイケル・ベイ

音楽   スティーブ・ジャブロンスキー

ジャンル SFアクション

 

 

キャスト

リンカーン・6・エコー 役/ユアン・マクレガー

ジョーダン・2・デルタ 役/スカーレット・ヨハンソン

 

 

あらすじ

大気汚染によってコロニーに住むことを余儀なくされた人々は、管理された社会で暮らしている。人々の夢は、楽園”アイランド”へ行くこと。コロニーに住む1人であるリンカーンは疑問を持っていたり、生活に不満を持つ。ある時、外に通ずる道を見つけ興味本位で抜け出す。目の当たりにしたのは衝撃の事実であった、、、。

 

 

 

<感想>

 

”近未来” ”クローン” ”愛”について

今よりも生活が向上した社会。インフラの発達で交通や通信が便利になっています。夢を見る世界ではあります。「アイアンマン」での人工知能やホログラムが印象的ですが、今作は「ガタカ」よりかと。ディストピア的な世界観が漂いつつも、現実の発達した世界を残しており両面を持ち合わせている感じがあります。

そして、特に人がより長く生きれるようにとクローン技術の話が出てきます。臓器が悪くなれば移植できる用意が出来、出産も代わりに出来る。単純に見れば良さげですが倫理的、道徳的問題が孕んでいると。クローンたちの命を蝕んでいることが主人公たちが行動を起こすきっかけとなる。後述しますが始めの”アイランド”行きになった女性のシーンはがっつり描写されていて恐怖ものですが、”近未来”という社会の発達である光の部分と発達によって犠牲になる闇の部分は作品としての醍醐味と感じます。

 

また、映画「アイランド」はクローンたちの解放が”自由”をテーマにしたものと捉えました。コロニーでは服は同じデザインのものを着て、食事は徹底した制限があり、睡眠の夢に至るまで他人に見られる管理社会が存在する。主人公リンカーンもそのうちの1人であります。そしてこの社会のターニングポイント的なことが、自分に疑問を持ち始める。服、食事などに不満を感じる、規制された環境に嫌気がさす。その後、考え行動を起こし現実を知る。考える知ることがクローンにとって自由を目指す第一歩として描かれる。

自由は人に管理される生活でなければ、何の縛りもルールもないものではなく、人の尊厳を与えられた状態から自身で意思を持ち、生きることだと思います。「アイランド」のクローンたちは、抑圧が支配する社会から”自由”を求めた冒険SF映画として捉えると面白いです。

 

人と人が強く惹かれ合う姿は、情熱的でもはや美しいとも言えます。「ジョー・ブラックをよろしく」のように主人公ジョー・ブラックとヒロインのスーザンが織りなす恋愛模様だったりが良い例かと。今作のリンカーンとジョーダンが自由を求める先に”愛”を知る姿が純粋で初々しさを感じられるところが評価が高いかと。コロニーの抑圧された社会からの解放の後、ハッピーエンドの終わりは前向きな希望が叶ったものがあります。ラストーシーンはその象徴として表しているのでしょう。

 

 

 

描写から見る映画の特徴

前述した管理された生活において、人間がクローンの生活を何から何まで決めている”人間とクローン”が存在します。ストーリーが進むにつれて汚染された世界はなく、臓器摘出や出産のために生み出された”所有者と製品”という事実が露わになることで、支配された残酷な現実がクローンの”生が死”に繋がってしまっている。”人間とクローン”、”所有者と製品”、”生が死”の対立構造が如実に描写されることが特徴だと思います。(最近対立構造の言葉にハマっています。語ってる感があるので(笑)。)

劇中ではリンカーンがコロニーの外に抜け出し、女性のクローンが出産する場面に出くわすと、用済みになってしまったために殺された。このシーンは中々残酷さを引き出しているところと感じます。子供を迎えたクローンの女性の表情や殺されてしまう時の看護師の業務をしているという表現や主要の登場人物でないですが思ったよりシーンが長く感じると。おそらくリンカーンの行動、恐怖を感じ逃げなければならないことを後押しすることに繋がっているのでしょう。

 

 

 

賛否が分かれそうなところ

ネットで「アイランド」を検索した時にgoogleの評価のところが77%で妥当なところかと思いますが、なぜ8割9割評価でないのかを挙げてみます。個人的には80%くらいですかね。思いつくもので全部で3つあります。

1つ目がクローンが自分を疑い考え出す。感染か何かでクローンたちが廃棄されてしまうところで詳しい原因が言及されなかったこと。

2つ目がリンカーンが残酷な現実を目の当たりし、コロニーから逃亡。秘密主義でなければならないはずなのに外の世界の情報が持ち込まれていたことの人的ミスが気になること。

3つ目がリンカーンらが所有者に会う。もっと遠くに逃げないのか、会う必要はないのではないかということ。

個人的にある程度納得のいく解釈は、原因の話はクローンたちの”自由”に重きを置けば詳しいことは考察する良さで、人的ミスは致し方ないと思います。ゾンビ映画で今ここで物音立てるとゾンビに気づかれるよってところで音立てますし。最後のクローンたちの精神年齢が15歳と見た目に反して若いのと行動する自由意思を尊重しての結果だったと思います。3つも挙げてしまいましたが、おおむね映画「アイランド」は今のところ気に入っています。

 

 

 

美しい!”スカーレット・ヨハンソン

初めて見たのがこの「アイランド」だと思います。当時見た時は衝撃でした。”なんだこの金髪美女は?!”っという感じですね。女優の全体的な雰囲気が頭の中に残っていて映画のサムネを見る度に”そうそうこの人出てた”としっかりと思い出すくらいです。やっぱり金髪美女は映えますね。ジェシカ・アルバとかジェニファー・ローレンスとか。

演技も良かったのではないかと。クローンのジョーダン役と人間ジョーダン役を演出もありますが、演じ分けが上手く出ていたと感じます。あと夕陽をバックに映る姿も輝いて良かったです。(物理的に光ってはいるのですが)

 

 

 

さいごに

音楽から始まり俳優たちの演技や美しい映像は、映画を楽しめる要素であったと感じます。やはりマイケル・ベイ監督であってか激しいカーアクションは監督の特徴が存分に出ています。あそこだけ見たら「トランスフォーマー」のワンシーンですね。

近未来要素もまたワクワクするものであります。今作は冒険的なSFアクションですし、ロボット系だと「アイ,ロボット」や宇宙だと「インターステラー」かなと。

また上記作品の感想を書いていけたらと思います。

 

 

以上