『時計じかけのオレンジ』【感想】残酷でリアルな表現は類を見ないかもしれない

 

本作はスタンリー・キューブリックが監督を務めた作品です。

2001年宇宙の旅」と同じく分かりにくかったですし、描写が刺激的でよく言えば個性がある映画で悪く言ってしまうと気持ち悪さがあります、

そういった意味で観る人を選ぶ映画なんて思います。

以下ネタバレありの感想です。

 

 

 

<作品紹介>

公開年  1972年

監督   スタンリー・キューブリック

脚本   スタンリー・キューブリック

原作   アンソニー・バージェス

ジャンル SF・イギリス・アメリカ映画

 

 

キャスト

アレックス(マルコム・マクダウェル)・・・主人公

ミスター・フランク(パトリック・マギー)被害者の作家

バーンズ(マイケル・ベイツ)・・・口ひげの看守長

フレデリック(アンソニー・シャープ)・・・内務大臣

刑務所の牧師(ゴッドフリー・クイグリー)

 

 

あらすじ

不良グループのアレックスらは暴力とセックスに明け暮れている。ある時お金持ちの家に強盗ため押し入りるが、アレックスは家の婦人を殺してしまい、また仲間たちとの争いが尾を引いており警察に捕まる、、、。

 

 

 

<感想>

 

暴力がはびこり管理された社会

アレックスらを含めた不良たちは暴力などの人を傷つけ弄ぶ非道な人たちであります。強盗に入った婦人を殺すことを始め、悪行ばかり。捕まったアレックスは十四年の刑期を受け、刑務所に暮らしをします。順調に刑期を務めているなか、刑務所の牧師に尋ねます。心理療法を使って更生したいと。

 

その気のないアレックスをよそに牧師とのやり取りの後、内務大臣が視察に来て更生する治療を志願します。

 

ここからが洗脳みたいなやり方でした。悪人を人工的に更生させるSFの場面があって治療後には暴力と欲に気持ち悪さを覚える身体になります。牧師が言っていたように選択する自由がなくなり、人として生きていると果たして言えるのかと問う場面。ここにも暴力は存在していたのでしょう。

 

アレックスも治療を行った医者も内務大臣も加害者の側面を、お金持ちの婦人やアレックスに襲われた作家たちは被害者の構図が出来上がっており、何とも救われない歪な世界を観ているようでした。

 

 

 

極端に偏った社会は不自由だろう

SF映画の世界観として「リベリオン」や「ガタカ」を思い出すことがあったりするでしょう。感情の話や遺伝子の話、何かひとつ抜きんでているのだけど、社会に暮らすにあたって不自由なところを感じたりもします。仕事とか生活とか

 

本作も自由な様子を描いており理想とするものがあると思いきや、おそらく社会の構造がそうさせるも無秩序で人に優しく感じられないです。ディストピアと言うのでしょうか。

 

アレックスも最初の方は自由奔放で、また最後も自分を取り戻します。ここで思うのは彼も社会の一部であり、自分を取り戻したとはいえ内務大臣の策略を受けた姿でもあり、閉塞な世界を垣間見た気がします。

 

 

 

風刺はしているけど、リアルな表現により気持ち悪さがある

人がすることにモヤモヤする気持ちを持つある意味尖った作品のように感じます。もうひとつが社会の支配的な様子が心の豊かさを体現なく暗さも合わさって陰鬱な気持ちになります。

 

そういった人を傷つける話や不自由さを持つ社会に対して監督は映画を通してもの申したいのではないかと思いました。

 

 

 

さいごに

描写も印象的ですが音楽も薄暗さと奇妙さを誘う変な感じあり雰囲気が出てました。

2001年宇宙の旅」と本作を観て原作も関係して、独特な映画を作る人だなというのが素直な感想です。

この人が作った映画が世の中で言う価値のある作品と言われも、腑に落ちないというか納得できないというか。

たぶん生きている時代が関わってくるかもしれないです。「インターステラー」や「インセプション」やらで、まだ分かりやすくて映像技術で視覚効果を狙った現代的な映画に馴染んでいるのでしょうね。

 

 

以上