今回がシリーズ最終話になっております。
OPもずっと見続けてまして、印象的なシーンでは線路の上を歩く少年BJと母親を亡くす少年BJがいます。2つの描写は鉄道が後ろから否応なく走ってくる、人の死は抗えないことをリンクさせているように感じます。
導入はここら辺にして以下ネタバレあり感想です。
<作品紹介>
制作年 2011年
原作 手塚治虫
監督 出崎統
ジャンル アニメ・医療
キャスト
L/アジュン(CV:朴 璐美)
チェ・ヒョク将軍(CV:小林清志)
あらすじ
飛行機で移動中のBJは、機内で病人が表れ着陸とともに一緒に病院へ向かう。道中、救急車の中でBJは脅しを受け独裁国家へと連れられ、国家主席の病気を治すことになる。
<感想>
あまり期待していなかったが思ったこと
今回のOVA版ブラックジャックの感想は、前回のカルテ11の感想と似てしまいます。理由はもしかしたら前回よりも好みではないからです。そもそもキャラクターがあれだったかと思ったりします。チェ・ヒョク将軍は、独裁国家よりトップにおる人だからこそ独裁的で身勝手な様子は存分に出ていましたが、カルテ1のクロスワードみたいに凄すぎて何を考えているか分からない姿が良い思う感性のため、キャラクターと観る側の相性が合わなかったのでしょうね。
もう1点は、伝わりずらさを感じたところで、L/アジュンの回想に入るシーンです。例えば、以下のように劇中であります。
「独裁国家の将軍と部下が話す→BJとL/アジュンの2人を映す→L/アジュンの回想→L/アジュンが飛び起きる」
回想の前にBJとL/アジュンの2人を映すことで、急に何が起こったのか分かりませんでした。つまりL/アジュンが寝ていなかったので夢を見ていたことに筆者が気が付かなかったのです。回想の途中にとL/アジュンが飛び起きたことで夢、過去の記憶を見ていたと伝わってきました。
一方でBJとL/アジュンの2人を映さずに、独裁国家の将軍と部下が話す次に回想を持ってくるのはどうだろうかと思ったりしますが何が良いのか、構成の難しさを感じます。
某国家ですか?
初見で思ってしまったのですが筆者だけでしょうか。軍人たちが大量に並んで歩いたり、武器を載せた車が走っていたり、でっかい肖像画を飾っていたり、全体的にある国を思い出すところばかりです。本当に。
ただ、アメリカやヨーロッパの映画で東アジアの国、中国や日本を表したりするのはよく見るのですが、上記のある国を表現するのは筆者は観たことがないので不思議な感覚を覚えました。なぜ最終話で持ってきたのか謎ですね。
最終話としての終わり方
これはBJが帰国し岬にある家での話です。これまでとは打って変わって晴れ渡った空があり、BJが岬に向こうを見てL/アジュンの言葉を思い出すシーンで「鳥の声を聞くと、2人は結ばれる」と。それは期待していたものとは違いました。患者を救う途中で出会った1人の軍人のことを思い出すのは良しとしても、ラストシーンましてや最終話で人一人の情景は蛇足のように感じます。あるとすれば不条理な世界に対する悔しさや虚しさで重ぐるしい雰囲気を出しても良かったのではないかと個人的に思います。もしくは終わり方として、これかも人の命を救っていく様子を改めて心に感じる描写があればBJの本質的な信念を見れるかと。
さいごに
カルテ11、12は酷評に次ぐ酷評になり、OVA版はお気に入りなので残念な結果になってしまいました。ひとつ救いなのが1993年に公開された劇場版アニメの感想をまだ書いていないので不完全燃焼にはならずに済みそうです。あとは1話完結のアニメでこんなにも同シリーズで好みが別れるとは思いませんでした。
また、劇場版アニメの視聴後にOVA版ブラックジャックのまとめ記事やどの作品がおすすめかでも書いてみようと思います。
以上
<関連記事>