『リング(1998)』【感想】きっと来る、呪われる(ビデオテープって最近見ないですね)

 

角川シネマコレクションのYoutubeで本作を拝見しました。

現在は配信が終了しましたがご覧になった人は多いことでしょう。

監督の中田秀夫 氏は「リング」シリーズをはじめとする日本ホラー映画いわゆる”ジャパニーズホラー”を牽引する方だそうです。

貞子は色々なところで見かけますから、馴染みがあるかもしれません。

以下ネタバレありの感想です。

 

 

 

<作品紹介>

公開年  1998年

監督   中田秀夫 

脚本   高橋洋

音楽   川井憲次

ジャンル ホラー・日本映画

 

 

キャスト

浅川玲子(松嶋菜々子)・・・テレビ局のディレクター

高山竜司(真田広之)・・・大学の非常勤講師

大石智子(竹内結子)・・・玲子の姪

浅川陽一(大高力也)・・・玲子と竜司の息子

 

 

あらすじ

ある夜、智子は友人と呪いのビデオのことを冗談交じりに話す。突然電話が鳴り響き安堵するも智子は怪奇な亡くなり方をする。親族の玲子は謎の死を調査するため姪が訪れた場所へ向かい、そこで自身も呪いのビデオを見てしまう。

 

 

 

<感想>

 

日本のホラーと言えば貞子

物語の始まりは、テレビ局ディレクターの玲子の姪が呪いのビデオを観たことで奇妙な死を遂げます。謎の死を調べるため、姪と交友関係がある四人も死んでおり、また伊豆の貸し別荘へ泊っていたことが分かります。

 

玲子は別荘へ行き不審に思ったビデオを見つけ、彼女も視聴したことで姪が死ぬまでの一週間の命の期限が付いてしまいます。ビデオには白い服を着て、顔まで覆う髪の長い女性がいるのでした。

 

海外のホラーというとジェイソンやらフレディやらエクソシストエスター等が有名かと思います。日本では「呪怨」の伽椰子、そして貞子がよく知られているでしょう。本作は「リング」の名の映画ですが、貞子のキャラクターが特にといったところですかね。テレビや井戸から出てくるだとか。

 

なぜこんなにも世の中に知れ渡っているのか、洋画ホラーを交えて書いていきます。例えば、「エクソシスト」はホラーの定番で、悪魔に憑りつかれ怖い顔をした女の子が登場して、キャラクターとして白い服を着た女の子が階段を駆け下りるシーンがあるように特徴的な部分が存在します。同様に「13日の金曜日」のジェイソンも仮面を被った大男が襲い掛かってくる印象が強いはずです。

 

これらから「リング」貞子もテレビや井戸から這い出てくる白い服を着た黒く髪の長い女性が特徴でキャラクターを作っています。

 

以上から怖いのだけれど、人々に分かりやすいことが言えると思います。洋画でのホラーは悪魔が大体悪さをして、その悪魔が作品によって姿形が違うはずで”どんなやったかな?”と覚えていない。しかしジェイソンや貞子のように得体はしれないホラーヴィラン的なキャラクターは記憶に残りやすて扱いやすく、また作品が多岐に渡るかなと思います。

 

 

 

ストーリーは分かりやすかった

物語の流れとして、起承転結が視聴者側に理解しやすい内容だったと思います。起は呪いのビデオで人が死ぬ、承は呪いのビデオの真相と呪いを解きたい、転は真相解明と呪いを解いた、結じゃ呪いの正体という大まかな流れですね。

 

映画の中でひとつ大切かなと思うのは、キャラクターの動機がしっかりとしているかどうかです。主人公の玲子は意図せず呪いにかかり、息子と日常を過ごしたい一心で呪いを解く方法を探します。

 

高山への接し方が雑になる、精神状態の不安定さや取り乱す様子は呪いを題材にする作品にとって適した描写がなされたはずです。

 

対して貞子は、生前の怨みを死んでもなお発揮し続ける執念さは映画の通りで、玲子と高山が貞子の遺体を供養した後、高山の研究室のブラウン管テレビから貞子が這い出てくる描写は最たるものでしょう。

 

そうしたキャラクターが行動している”なぜ”があると、人物に深みが増し、ストーリーがおのずと出来上がってくると思います。

 

 

 

タイトルの”リング”は呪いのことか?

改めて貞子の強烈なキャラクターに反して、映画のタイトルがなぜ”リング”何だろうと思いましたが如何でしょうか。おそらく分かる方はすぐにそうだなとなったかもしれません。

 

前述の高山が死んでしまったことで、玲子は呪いは解くものではないと気づきます。そこで玲子は更に気づきます。玲子の息子はビデオを見たため呪いにかかっていると。呪いはビデオをダビングして(たぶんコピーの意)、他の人に見せてはじめて呪いを移せるのであります。彼女は息子を助けるために決断するわけです。

 

呪いは解除する方法がなく人に移すしかないということは、人の間で巡っている。よって、”リング”のタイトルが付けられたのではないでしょうか。

 

 

 

さいごに

記事を書きながら思い出していると、「リング」は怖さでは目を当てられないほど怖いわけではなかったですね。「エクソシスト」のようなホラー映画を成している、ある意味映画作家が成功した雰囲気が感じられます。

個人的に夢に出てきそうな映画は「テケテケ」などの動きが速く追ってくる恐怖さは、心臓に悪いです。観る時は朝の寝ぼけている時にしたいものです。

 

 

以上