『未知との遭遇』【感想】不穏な出会いは、夢を追う物語の始まり

 

スティーヴン・スピルバーグ監督作品です。

アメリカでは1977年公開の映画で、「E.T.」(1982)よりも古いですね。

さっそく話が逸れてしまい恐縮ですがロイ・ニアリー役を演じたリチャード・ドレイファストム・ハーディに似ている気がすると思いました。

気のせいですかね。

以下ネタバレありの感想です。

 

 

 

<作品紹介>

公開年  1977年

監督   スティーヴン・スピルバーグ

脚本   スティーヴン・スピルバーグ

音楽   ジョン・ウィリアムズ

ジャンル SF・ファンタジーアメリカ映画

 

 

キャスト

ロイ・ニアリー(リチャード・ドレイファス)・・・主人公、発電所の従業員

ロニー・ニアリー(テリー・ガー)・・・ロイの嫁さん

クロード・ラコーム(フランソワ・トリュフォー)・・・フランス人UFO学者

 

 

あらすじ

戦時中の海軍飛行訓練機が砂漠で発見、航空管制センターでは謎の飛行物体との遭遇と世界各地で奇妙な出来事が起こる。インディアナ州マンシーにおいても停電が発生し、現場に向かうロイは飛行物体UFOと遭遇し、正体を突き止めようと調査を始めていく。

 

 

 

<感想>

 

未知との遭遇は平和なUFOとの出会いだった

本作はそのタイトルの通りの話が展開されており、SF映画2001年宇宙の旅」とは違った比較的平和なストーリーです。ただ始めの方は、不思議な出来事が各地で起きたり、主人公が家族に心配されるほどある意味おかしくなる等、少し怪しげな雰囲気が漂っています。

 

メキシコのソノラ砂漠では、1945年行方不明になったアメリカ軍の訓練機が発見。モンゴルのゴビ砂漠では、およそ100年前に同じく行方知れずの蒸気船コトパクシ船。いずれもバミューダ・トライアングルで消息を絶ったものであると。

 

ちなみにバミューダ・トライアングルは、フロリダ半島の先端と大西洋にあるプエルトリコバミューダ諸島を結んだ三角形の海域のこと(大体アメリカの右下らへんの海)。この科学的に解明できていない怪事件を本作と交えるのは興味深い意味で面白いです。

 

また主人公のロイは発電所従業員であり、町中で停電が起きたので車で現場に向かうことになった際、UFOと遭遇します。踏切前で停車し地図を確認していると、そばにあったポストが揺れ、上空から光を浴び、車内の物が散乱。もはやちょっとしたホラーです。

 

それからというものシェービングクリームやポテトサラダを見てはある形を作ろうと夢中になり、家族からは”一体何をやってるのだ”と驚きや心配をかけます。こういった描写はリアルさを感じます。

 

家族が泣きながらロイの姿を見ているので、まるで自分の家族毒牙にかかったような暗い気持ちになります。それでもなおロイは追い求め、ついに”答え”に辿り着き宇宙人と共に旅立ちます。

 

ひたすら追いかける様子は夢を追う子供心を持った大人として捉えれば、”答え”を求める描写は冒険劇であり、ついぞ夢が叶ったハッピーエンドであるでしょう。友好的な出会いを描いた、後の作品「E.T.」(1982)に近いところがあるかもしれません。

 

 

 

夢を追いかける大人たち

印象に残ると言うべきは、主人公ロイもそうですがフランス人UFO学者クロード・ラコームが立派でUFOと会った時の表情がとても嬉しそうであったこと。

 

UFOとの接触に先陣を切り行動するなかで、12人がある形デビルスタワー(岩山)を知らない内に思い浮かべ集まってきたのは、選ばれた人たちだと言います。そしてロイたちにはそこにいる権利があると。

 

クロードは物事を俯瞰して見ているので、もし現実に宇宙人がやって来たなら、彼に対応してもらいたいです。戦争になる前に、、、。

 

またクロード自身も夢を追い求める少年のような心を持った人だと感じます。遭遇した時の顔の表情まさしくそれです。

 

 

 

家族との別れ

唯一本作でモヤっとするところは、ロイの家族が出ていったままであることです。劇中で和解なり何なりが特になかったので、一体どうなったやら。

 

ひとつの解釈は、先ほどから触れている夢が関係していると思います。世の理的な話ではないですが、何かを得るには何かを捨てるみたいなルールがあって、例えば買い物をした時に商品を得るがお金を払う感じです。

 

夢を掴むには家族との時間を取らない選択があるとするならば、ある意味必然のことだった。アニメ「プラネテス」でも思った、仕事を選ぶか家族との時間を選ぶかと似ている気がする。もちろん両方取れないこともないが、本作では2択を突きつけられた選択の話が存在したと思います。

 

もうひとつはスピルバーグ幼少期を作品に表していること。彼は両親の離婚、いじめ、映画の憧れなど人生の一部や夢、願望を乗せた作品であってもおかしくないでしょう。

 

 

 

さいごに

最後になりますが、実はもう一個だけ気になることがあって、これは理由が分からないです。デビルスタワーの情景を頭のなかに思い描いて集まった人たちがいて、それが12人います。アメリカ映画と12人、またアメリカからキリスト教を連想すれば、最後の晩餐にはイエス・キリストを含めた12人がいました。

 

主人公ロイが宇宙へ旅立つこととイエス・キリストが天へ行くことを合わせていると考えられそうですが、理由がなんともです。奇跡ですかね。

 

そんなこんなで昔のSF映画と言えばで比較が多い「2001年宇宙の旅」よりは分かりやすく、まだ明るく観れたので、おすすめするなら「未知との遭遇」ですね。

 

 

以上